エクセル在庫管理「このまま続けた会社」に何が起きたか——製造業の経営者が直面した4つの実損と、切り替えを決めた理由 ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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エクセル在庫管理「このまま続けた会社」に何が起きたか——製造業の経営者が直面した4つの実損と、切り替えを決めた理由


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エクセル在庫管理「このまま続けた会社」に何が起きたか——製造業の経営者が直面した4つの実損と、切り替えを決めた理由

執筆:Spes編集部

従業員48名の金属部品メーカー、伊藤製作所(仮称)。製造現場の責任者から経営者になって3年目の伊藤社長が、在庫管理のエクセル運用をやめると決断したのは、売上ではなく「利益が読めなくなった」という感覚からだった。

「数字は合ってるはずなのに、なぜか手元に残らない」——そう語る経営者は、伊藤社長だけではない。本記事では、エクセル在庫管理を続けた結果として実際に起きた損失パターンを先に提示し、そこから「どこで判断を変えるべきだったか」を逆算する。チェックリストや比較表より先に、失敗の中身を見てほしい。

失敗1:「合っているはずの数字」が原価計算を狂わせた

Photo by Pixabay on Pexels
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部品在庫をエクセルで管理している場合、入出庫の記録は担当者が手作業で行う。入力ミス・入力漏れ・タイミングのずれが積み重なると、「帳簿在庫」と「実在庫」の間に乖離が生まれる。

問題は、その乖離が小さいうちは誰も気づかないことだ。伊藤製作所では、ある部品の在庫が帳簿上は120個、実際には73個という状態が3か月続いていた。製造原価の計算に使った数値が帳簿ベースだったため、見積もり単価が実態より低くなり、受注すればするほど利益が薄くなる構造が生まれていた。四半期ごとの棚卸で初めてズレが判明したとき、すでに数十万円規模の原価差異が出ていた。

「エクセルの数字は毎日更新していた。だから正しいと思っていた」——これが、最もよくある盲点だ。更新頻度と正確性は別の話であり、複数人が同じファイルを触る環境では、更新が多いほど誤入力も増える。

失敗2:「欠品の連絡」が営業担当者を通じて来た日

Photo by Willians Huerta on Pexels
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在庫切れを最初に知らせてくれたのが、取引先からの電話だった——こういった経験を持つ中小製造業は少なくない。

エクセル在庫管理では、在庫残数が一定量を下回ったタイミングで自動的にアラートを出す仕組みを作るのが難しい。「気づいたときに確認する」運用になりがちで、発注担当者が休んだ日や月末の繁忙期には確認自体が後回しになる。

よく見られる欠品発生の流れ
①担当者が週1回エクセルを確認 → ②前週の出庫が多かった部品を見落とし → ③在庫ゼロで製造ラインが止まる → ④取引先への納期回答が翌週にずれ込む

この間に発生するのは「材料の緊急発注コスト(通常仕入れより15〜30%高いケースも)」と「納期遅延による信頼コスト」の両方だ。

伊藤製作所の場合、ある月に主要部品が欠品し、製造ラインを1日半止める事態が起きた。代替品の緊急調達コストと、遅延に伴う特急便の送料を合わせると、その月だけで約18万円の余計な支出が発生したと試算している。

失敗3:担当者の「脳内在庫」に依存するようになっていた

エクセル管理が長期化すると、現場では別の問題が静かに育つ。「このファイルを一番わかっているのはBさんだけ」という状態だ。

列の構成、非公式のルール(「C列の数字は参考値でD列が正」など)、季節ごとの在庫の動き——これらが特定の担当者の経験値として蓄積され、ファイル上には記録されない。担当者が異動・退職すると、後任者はファイルを開いても意味が読み取れず、最初から仕組みを作り直すことになる。

中小企業庁の中小企業白書(政府統計ポータル e-Stat に関連統計が収録)でも、人手不足や業務属人化が中小製造業の経営課題として継続的に挙げられている。在庫管理の属人化は、そのまま採用コスト・教育コストの増大につながる。

失敗4:「移行が遅れた分」だけコストが積み上がっていた

「いつかシステムに変えよう」と思い続けて2年が経過したとき、伊藤製作所が計算したのは「この2年間にエクセル管理が原因で発生したコストの合計」だった。緊急調達コスト、棚卸差異による原価ズレ、担当者の時間外作業(月平均15時間超)を積み上げると、システム導入費用の1.5倍に相当する額が「維持コスト」として消えていた。

移行の決断を遅らせることは、リスク回避ではなくコスト蓄積だ——この認識が、伊藤社長が最終的にシステム切り替えを決めた理由だった。

「次の一手」を考え始める前に確かめること

失敗事例を踏まえると、エクセル管理の限界は「使い方の問題」だけではなく、構造上の問題であることがわかる。以下は、切り替えの検討を始めるタイミングを測るための確認項目だ。

  • 月に1回以上、在庫数の手修正が発生している
  • 在庫確認のために現場に電話・確認が必要な場面がある
  • 担当者が変わったとき、引き継ぎに2週間以上かかった経験がある
  • 棚卸のたびに帳簿と実在庫の差異が出る(5%以上)
  • 発注タイミングを担当者の「感覚」で判断している

3項目以上当てはまる場合、エクセルの限界はすでに「現場の問題」から「経営上のリスク」に変わっている可能性が高い。

次のステップとして何から始めるか迷う場合は、現状の運用課題を整理した上で専門家に相談するのが早い。Spesでは、現場の運用状況をヒアリングした上でシステム移行の進め方を提案しているので、こちらから気軽に相談いただける

よくある質問

エクセルからシステムに移行する場合、どのくらいの期間がかかりますか?

業種・品目数・取引先数によって異なるが、中小製造業(50名前後)の場合、基本的な移行と社内運用の定着まで2〜3か月が一つの目安になる。先に「どのデータを移行するか」を整理しておくと、その後の工程がスムーズになる。

エクセル管理のまま精度を上げる方法はありますか?

入力ルールの統一、担当者を1名に限定する、週次チェック体制の導入などで一時的な改善は可能だ。ただし、複数拠点・複数担当者が関わる環境では、構造上の限界を超えるのは難しい。「現状維持のコスト」と「移行コスト」を並べて比較することを勧める。

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