エクセル在庫管理で「実際に起きた」3つの失敗——何が崩れ、どこで気づけたか ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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エクセル在庫管理で「実際に起きた」3つの失敗——何が崩れ、どこで気づけたか


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エクセル在庫管理で「実際に起きた」3つの失敗——何が崩れ、どこで気づけたか

執筆:Spes編集部

「なぜ在庫が合わないのか、原因がわからない」——そう呟きながらエクセルのセルを遡っていた渡辺さん(食品卸・在庫管理歴3年)が、在庫数の不一致に気づいたのは月次棚卸の前日だった。ファイルを開き直し、変更履歴を追ったが、どこで数字がずれたかは最後までわからなかった。

このようなケースは珍しくない。エクセル在庫管理の「限界」は、ある日突然あらわれるのではなく、小さな失敗の積み重ねとして静かに進行する。本記事では、現場で実際に起きた3つの失敗パターンを取り上げ、それぞれ何が崩れ、どの時点で手を打てたかを整理する。

失敗① 複数人が同じファイルを編集し、上書きで数字が消えた

Photo by Markus Winkler on Pexels
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小売業の伊藤さんが管理する在庫ファイルは、倉庫担当・営業・購買の3名が共有フォルダで使い回していた。それぞれが「今日の分を更新した」と思っていたが、後から開いた人が保存すると先の更新が消える。いわゆる上書き保存の競合だ。

気づいたのは、営業が「在庫あり」として受注した商品が、実際には3日前に出荷済みだったとき。客先への謝罪と代替品の手配に半日を費やした。

この失敗が防げたタイミング:
共有ファイルに「最終更新者・更新時刻」列を設けていれば、競合の早期発見は可能だった。ただし根本的には、複数人が同時編集できない構造のエクセルを複数人で使うこと自体が限界の入口だった。

上書き競合が引き起こす連鎖(失敗①のパターン)

失敗② 関数のコピーミスで、半年間ずっと誤った数字を集計していた

Photo by Tiger Lily on Pexels
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部品卸を営む中村さんの会社では、月次の在庫残高を集計するSUMIF関数が組み込まれたマスターシートを使っていた。ある担当者交代のタイミングで、前任者から引き継いだファイルに新しい品目行を追加した。しかし参照範囲の指定を誤り、新規追加品目が集計から外れた状態が続いた。

発覚したのは半年後、仕入先からの請求書と自社の入庫記録を突き合わせた経理担当が「数字が全然合わない」と指摘したときだ。修正には過去6か月分のデータを洗い直す作業が発生し、2名がかりで丸2日かかった。

ミスが起きた根本は、関数の仕組みを完全に把握していない人が引き継いだことにある。エクセルは「作った人だけが構造を理解している」状態になりやすく、担当者交代のたびにリスクが高まる。

失敗③ 在庫数は正しいのに、「どこにあるか」がわからなくなった

EC事業者の小林さんは、商品点数が500SKUを超えたころから別の問題に直面した。エクセル上の在庫数は合っているのに、倉庫のどの棚に何があるかを即座に答えられなくなったのだ。

受注が入るたびにピッキングリストを手書きで作り、倉庫スタッフが目視で棚を探す。商品が見つからなければ担当者に電話が来る。繁忙期には1日10件以上の問い合わせが来て、受注処理が滞った。

エクセルは「数量管理」は得意でも、「ロケーション管理(どの棚にあるか)」には本質的に不向きだ。商品点数が増えるにつれ、この欠如は出荷スピードに直結する問題になる。

エクセルが崩れやすい3つの領域

3つの失敗に共通していた「気づきの遅れ」

上記3件を並べると、ひとつの共通点が浮かぶ。いずれも「問題が起きた日」ではなく「問題が積み重なった後」に発覚している。

失敗パターン発覚のきっかけ早期発見の障壁
上書き競合欠品クレーム変更履歴が残らない
関数ミス・長期放置経理との突き合わせ数字が「それらしく見える」
ロケーション管理の欠如繁忙期の出荷遅延数量は合っているので問題に見えない

エクセルは「現在の数字を正しく見せる」ことには長けているが、「誰がいつ変えたか」「集計範囲は正しいか」「物理的な場所と紐づいているか」を自動で担保する仕組みを持たない。問題が可視化されるのは、外部からの指摘(クレーム・突き合わせ・遅延)が来たときに限られる。

「次の判断」をどこで切るか——見直しの起点として使える基準

上記の失敗が自社に当てはまるかどうかを確かめる前に、まず確認しておきたい点がある。エクセル管理の継続可否を判断するとき、多くの現場は「今困っているか」を基準にする。しかし実際には、「困り始めている」段階ではすでに見えないコストが積み上がっている場合が多い。

次のような状況が1つでも当てはまれば、少なくとも「現状のままでいいか」という問いを立てるタイミングではある。

  • 月次棚卸のたびに数字の不一致が出て、原因を特定できない
  • 担当者が有休・異動のたびに「あのファイルの使い方がわからない」が発生する
  • 複数倉庫・複数拠点の在庫をリアルタイムで把握できない
  • SKU数が増えるたびにファイルが重くなり、開くのに時間がかかるようになった
  • 在庫数は合っているのに欠品・過剰在庫が繰り返される

これらの問いに向き合うための参考情報として、中小企業庁が公表している生産性・デジタル化関連の調査データ(e-Stat(政府統計ポータル))も現状把握の補助として活用できる。

クラウド型への移行は「一気に変える」必要はない

エクセルから離れることへの抵抗として、現場でよく聞くのは「移行コストと学習コストが怖い」という声だ。しかし実際には、完全移行でなく「まず入出庫の記録だけクラウドに乗せる」という段階的なアプローチを選ぶ企業も多い。

たとえばSpesのようなクラウド型在庫・受発注管理ツールは、バーコードやハンディ端末との連携により入出庫入力の手間を減らしつつ、複数倉庫の在庫を一画面で把握できる構成になっている。EC事業者であれば複数モールの在庫を連動させることも想定されており、「エクセルでは対応しきれなくなった部分だけを補う」入り口として使うことも可能だ。

どのような規模・業種でどこから手をつけるべきかは、現場の構成によって変わる。具体的な状況をもとに相談したい場合は、こちらのお問い合わせフォームから気軽に相談してほしい。

よくある質問

エクセルで在庫管理を続けるリスクは、SKU数が少なければ低いのか?

SKU数が少なくても、複数人が同じファイルを更新する運用をとっている場合は上書き競合のリスクが残る。また担当者が1名でも、引き継ぎや長期休暇のタイミングでブラックボックス化が起きやすい。SKU数だけで判断するより、「何人が・どのくらいの頻度で編集するか」を基準にするほうが実態に合う。

クラウド型ツールに移行すれば、すべての問題が解決するのか?

ツール導入は問題解決の手段の一つだが、運用ルールの整備なしにツールだけ変えても効果は限定的だ。まず「どの失敗が繰り返されているか」を整理し、その課題に対応できる機能を持つツールを選ぶ順序が重要になる。

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