スタートアップの在庫管理、何から手をつければいいのか——導入ステップを逆算して「最初の仕組み」を決める ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

Column

コラム

スタートアップの在庫管理、何から手をつければいいのか——導入ステップを逆算して「最初の仕組み」を決める


TwitterFacebookLine

スタートアップの在庫管理、何から手をつければいいのか——導入ステップを逆算して「最初の仕組み」を決める

執筆:Spes編集部

創業から1年が経ち、受注が月100件を超えてきた。倉庫代わりに使っていた自室の一角はもう限界で、出荷ミスが週に1〜2件は出るようになった——スタートアップの経営者・渡辺さんが「そろそろ在庫管理をちゃんとしなければ」と感じ始めたのは、まさにそんなタイミングだったといいます。

「何から始めればいいのかわからない」というのは、在庫管理に向き合い始めたスタートアップに共通する問いです。ツールを先に選ぼうとする人もいれば、棚卸しから始めようとする人もいる。しかし順序を間違えると、ツール導入後に「結局使いこなせなかった」という事態になりがちです。

この記事では、「最終的に何を達成したいか」から逆算して、最初にやるべきことを絞り込む導入ステップ逆算型の考え方を整理します。

ゴールから逆算する——創業期に在庫管理で本当に防ぎたいことは何か

Photo by Tiger Lily on Pexels
Photo by Tiger Lily on Pexels

在庫管理の「仕組みを作る」と言っても、目的が曖昧なままでは手段を選べません。まず、スタートアップが在庫管理を整える理由を3つに絞って確認しておきます。

この3つのうち、自社が今もっとも痛みを感じているのはどれかを先に特定することが、最初のステップです。欠品が問題なのか、出荷ミスが問題なのか、そもそも今いくつあるのかわからない状態が問題なのか——それによって、最初に手をつける作業は変わってきます。

導入前に「現在地」を確認する——6項目のチェックリスト

Photo by Centre for Ageing Better on Pexels
Photo by Centre for Ageing Better on Pexels

ツールを選ぶより先に、現在の管理状況を棚卸しする必要があります。以下のチェックリストで、自社の「今いる場所」を確認してください。

  • □ 商品ごとの現在庫数を、今すぐ5分以内に確認できる
  • □ 入庫・出庫の記録を、誰が見ても同じように読める形で残している
  • □ 発注のタイミングを、ルールに基づいて判断している(担当者の勘ではなく)
  • □ 過去1か月で、出荷ミス(数量違い・品番違い)が0件だった
  • □ 欠品が発生した際、その原因を翌日までに特定できた
  • □ 在庫の記録と実際の棚の数が、月1回以上照合されている

判定の目安:チェックが3つ以下なら、ツール導入よりも先に「記録のルール」を整える段階です。4〜5つなら、ツール選定と並行してルール整備を進められます。6つすべて該当するなら、スケールに合わせたシステム移行を検討するタイミングです。

チェックが少ない段階でクラウドツールを入れても、入力データが乱れていれば管理精度は上がりません。渡辺さんのケースでは、ツール導入前に「入庫時に必ず記録する人を1人決める」というルールを設けただけで、翌月の出荷ミスが半減したといいます。仕組みの前に、最低限の運用ルールがあるかどうかが問われます。

ステップ逆算——「本格システム」に至るまでの3段階

スタートアップが在庫管理を整えていく過程は、一足飛びにシステム導入とはなりません。現実的には3段階を経るケースが多く、各段階で「何を達成したら次へ進むか」を意識することが大切です。

段階主な手段移行の目安
第1段階:記録の定着エクセル・Googleスプレッドシート入出庫記録が途切れなく続く状態
第2段階:精度の向上バーコード・ハンディ活用、ルール整備月次棚卸しで誤差5%以内に収まる
第3段階:仕組みの自動化クラウド在庫管理システムSKU数50以上、月出荷300件超が目安

第1段階を飛ばして第3段階のツールを入れようとすると、入力が誰もしなくなり、導入後3か月で形骸化するパターンに陥ります。月商が伸びているスタートアップほど「早くシステムを」と焦りがちですが、記録が習慣として根付いていない段階では、ツールの複雑さが逆に障壁になることが多いです。

第2段階から第3段階への移行タイミングとして、SKU数(管理する商品の種類)が50を超え、月の出荷件数が300件前後になったあたりが、多くの事業者で「エクセルの限界」を実感し始める目安とされています(業種や取扱品の複雑さにより変動します)。

クラウドツールを選ぶ前に確認しておく3つの条件

第3段階に進む際、ツール選定で迷う人は少なくありません。機能比較に入る前に、以下の3点を自社の状況と照らし合わせてみてください。

特に、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングといった複数のECモールで販売しているスタートアップは、各モールの在庫数を手動で同期させていると、過剰販売(在庫がないのに注文が入る)のリスクが高まります。この場合、在庫管理と受注処理を連動させる仕組みが必要です。

Spesのクラウド型在庫・受発注管理では、複数倉庫・複数ECモールの在庫を一元管理し、バーコードやハンディ端末と連携した入出庫処理も対応しています。受注データの自動取得・処理についても相談を受け付けているので、「今の規模に合うか」という段階からでも問い合わせてみるとよいでしょう。
Spesへの相談・お問い合わせはこちら

よくある質問

エクセルで在庫管理を始めても問題ありませんか?

創業初期であれば、エクセルやGoogleスプレッドシートで十分なことがほとんどです。重要なのはツールより「誰が・いつ・どのタイミングで記録するか」というルールを最初に決めること。記録の習慣が定着してからツールを選んでも遅くはありません。

在庫管理システムの導入コストはどれくらいかかりますか?

スタートアップ向けのクラウド型サービスは月額数万円から利用できるものが多く、初期費用が抑えられるタイプも増えています。ただし、SKU数・ユーザー数・連携先の数によって料金が変わるため、自社の現状と半年後の想定規模を伝えた上で見積もりを取るのが確実です。

在庫管理と受発注管理は別々のツールで管理すべきですか?

最初の段階では別々でも運用できますが、受注が増えるにつれて在庫と受発注の情報がずれ始め、手作業での同期に時間が取られます。規模が拡大する前に、両者を連携できるツールに移行しておくほうが後の切り替えコストを抑えられます。

参考情報

中小企業・スタートアップの経営実態や業種別の統計については、政府統計の総合窓口(e-Stat)でも関連データを参照できます。
e-Stat(政府統計の総合窓口)

在庫管理の仕組みをどこから整えればいいか迷っている場合は、現状の課題を整理してからご相談いただくと、状況に合った提案を受けやすくなります。お問い合わせ・相談はこちらからどうぞ。

TwitterFacebookLine