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受発注管理の自動化を始める前に確認したい10のチェックリスト|現場の「詰まりポイント」から逆引きする改善アプローチ

執筆:Spes編集部
「どこから手をつければいいか分からない」——受発注管理の自動化を検討し始めた担当者から、こういう声をよく聞きます。
卸売業で営業事務を10年担当してきた渡辺さん(仮名)は、取引先が30社を超えたあたりから受注ミスが増え始めました。電話・FAX・メール・EDIと受注経路がバラバラなまま、Excelの集計シートだけで何とかつないでいた状態です。「自動化したい気持ちはあるけれど、何から整理すればいいか見当もつかなかった」と振り返ります。
この記事では、そうした担当者のために「自動化の前に現場が詰まる10のポイント」をチェックリスト形式で整理します。ツール選びより先に、自分たちの業務のどこに問題があるかを把握することが、失敗しない自動化への最短ルートです。
まずここを確認|自動化の前提条件チェックリスト(準備編)

| 課題の整理 現場で起きていること | → | 原因・整理 構造・ボトルネック | → | 解決の方向性 クラウド活用など |
| 記事の整理:課題 → 整理 → 解決 | ||||
自動化ツールを導入する前に、以下の項目を確認してください。チェックが入らない項目が多いほど、「ツール導入より先にやるべきこと」がある状態です。
- ☐ 受注経路(電話・FAX・メール・EDI・ECモール等)の種類と件数を把握している
- ☐ 取引先ごとの発注フォーマット・ルールを一覧化できている
- ☐ 現在の受注処理にかかる1件あたりの平均時間を把握している(例:FAX受注1件あたり約8分など)
- ☐ 月間・週間の受注件数のピーク時期・繁閑差を把握している
- ☐ 過去6ヶ月以内の受注ミス・入力ミスの件数・原因を記録している
「受注経路が何種類あるか」を聞くと、担当者によって答えが変わるケースが多くあります。実は誰も全体像を把握していない——これが自動化を始めると最初に判明する事実です。ツールを入れる前に、まずこの棚卸しを優先してください。
次に整理したい|業務フローのボトルネックチェックリスト(課題発見編)

準備編をクリアできたら、次は「どこで時間と手間が詰まっているか」を見ていきます。渡辺さんのケースでは、このフェーズで「FAX受注の転記作業」と「取引先別の出荷条件の確認」が二大ボトルネックと判明しました。原因が分かれば、解決策が絞れます。
- ☐ 手入力・転記作業が1日に30分以上発生している
- ☐ 受注内容の確認のために取引先に折り返し連絡が必要なケースが週1回以上ある
- ☐ 在庫確認と受注入力が別々のシステム(またはExcel)で行われており、連携が手動になっている
- ☐ 担当者が休むと受注処理が回らない(属人化している)
- ☐ 出荷指示・伝票発行・請求書作成が別々のタイミング・別々の担当者で行われている
これらのチェックが3つ以上入る場合、現場の体感以上に業務負荷が積み上がっています。自動化で最初に効果が出やすいのは「転記・確認・連絡」の繰り返しが多い箇所です。
| ボトルネック箇所 | よくある原因 | 自動化で効果が出やすい対策 |
|---|---|---|
| FAX・メール受注の転記 | 受注経路が統一されていない | BPOによる入力代行+データ化 |
| 在庫との突合作業 | 在庫管理と受注管理が別ツール | 受発注・在庫の一元管理システム導入 |
| ECモール複数管理 | 楽天・Amazon・Yahoo!等で個別操作 | ネクストエンジン等の一元管理ツール連携 |
| 出荷指示・伝票発行の遅延 | 手順が担当者ごとに異なる | ルール統一+自動出荷指示の仕組み化 |
ツール選び・導入判断のチェックリスト(実行編)
課題の所在が明確になったら、いよいよ「何を・どんな形で自動化するか」の判断フェーズです。以下のチェックリストで、導入の準備ができているかを確認してください。
- ☐ 自動化で削減したい工数を時間換算で試算している(例:月40時間の転記作業を月5時間に削減したい)
- ☐ 社内のIT担当者またはシステム対応できる人材がいる、あるいは外部サポートを受ける体制がある
- ☐ 取引先のEDI・メール・FAX等の受注形式ごとに対応策を検討している
- ☐ 導入後のランニングコストと削減コストを比較している
- ☐ 担当者不在時でも処理が続く「引き継ぎ手順」を整備する計画がある
これらを整理しないままツールを選定すると、「使いこなせないシステムを月額費用だけ払い続ける」という状況に陥りやすいです。これは本当によくある失敗例で、担当者の方たちからも「もっと先に整理しておけばよかった」という声が多く寄せられます…。
ECモールや卸取引で実際に使われている自動化の仕組み
チェックリストを整理した後、具体的な自動化の選択肢として参考になる事例をご紹介します。
複数のECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング等)を運営している事業者の場合、モールごとに受注データを取りに行く作業だけで1日1〜2時間かかることがあります。これをネクストエンジンとのAPI連携で一元化すると、受注取得・在庫引き当て・出荷指示が自動で連携し、担当者が手を動かす作業を大幅に絞ることができます。
一方、卸取引や製造業向けの受発注では、「FAXや電話での受注がゼロにならない」というケースが多くあります。取引先がデジタル化に対応していないため、こちらだけシステムを入れても受注経路の問題は解決しないからです。こうした場面では、電話・FAX受注の入力代行(BPO)を受注窓口の一部として組み合わせるアプローチが現実的です。取引先ごとのフォーマットに対応しながら、受け取ったデータをシステムに連携する形で「デジタルとアナログの橋渡し」をする仕組みです。
Spesでは、こうした受注経路の多様性に対応するため、ネクストエンジン連携サービスとBPOサービスの両方を提供しています。「自社の状況にどちらが合うか分からない」という場合でも、現状の業務フローをヒアリングした上で適切な方向性を一緒に整理するところから始めることが可能です。まずは状況を共有してみることをお勧めします。
よくある質問
受発注管理の自動化は中小企業でも現実的ですか?
現実的です。むしろ、大企業に比べて意思決定が速く、現場の変化に柔軟に対応できる中小企業の方が導入後の定着率が高いケースもあります。ただし、前述のチェックリストにある通り、「業務の可視化」と「課題の絞り込み」を先に済ませることが重要です。ツールを入れることが目的になってしまうと、費用だけかかって効果が出ない状況になりやすいです。
電話・FAXでの受注がある取引先がいると自動化は難しいですか?
取引先全員にデジタル化を求めることは現実的ではないことが多いです。そのため、「アナログ経路で受け取った情報をどうデータ化するか」という部分をBPOや社内ルールで補いながら、部分的に自動化を進めるアプローチが現実解になります。全部一気に変えようとするより、「月に何時間削減できるか」を目標に優先箇所から手をつける方が定着しやすいです。
受発注管理システムの費用感はどのくらいですか?
クラウド型のSaaSであれば、中小企業向けのプランで月額数万円〜というサービスが多くあります。ただし、取引先数・受注件数・連携する経路の数によって変わります。費用対効果の試算は「現在の手作業にかかっている人件費」と比較するのが分かりやすい方法です。例えば、月40時間の転記作業が時給換算で月8万円相当であれば、月額3〜5万円のシステムでも十分元が取れる計算になります。詳しくは政府統計(e-Stat)で業種別の労働コストの参考データを確認しながら試算してみてください。
まとめ|チェックリストで現状を把握してから動く
受発注管理の自動化は「ツールを選ぶこと」がゴールではありません。現場の課題を正確に把握し、「どこを・どれくらい改善するか」という目標を持ってから動くことで、導入後の効果が大きく変わります。
今回の10のチェックリストを使って、まず自社の現状を書き出してみてください。チェックが入らなかった項目こそ、自動化の前に整理すべき「本当の課題」が隠れています。
「どこから手をつければいいか分からない」という段階でも、業務フローの整理から一緒に考えることができます。受発注業務の現状についてお気軽にご相談ください。
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