情報システム部門が在庫管理システム選定で「やらかした」3つの失敗——選定基準を整える前に起きていたこと ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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情報システム部門が在庫管理システム選定で「やらかした」3つの失敗——選定基準を整える前に起きていたこと


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情報システム部門が在庫管理システム選定で「やらかした」3つの失敗——選定基準を整える前に起きていたこと

執筆:Spes編集部

「要件定義は通したはずなのに、現場から『使えない』と言われた」——こうした声を、情報システム部門の担当者から聞くことは珍しくない。在庫管理システムの選定は、要件の整理さえできれば進められると思われがちだが、実際には選定プロセスの入口で踏んでしまう落とし穴がいくつかある。本稿では、選定が失敗に終わった3つのケースから共通するつまずきを整理し、評価基準をどう設計すれば「導入後に詰まらないか」を考える。

失敗① 現場の運用を確認せず、機能仕様だけで選んだ

Photo by Jakub Zerdzicki on Pexels
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従業員数180名ほどの卸売業で情報システムを担当する伊藤さんは、3年前に在庫管理システムの刷新プロジェクトを主導した。稟議書の要件欄には「バーコード対応」「複数倉庫の一元管理」「API連携可能」と並んでいた。ベンダーデモで機能の存在は確認できたため、3社比較の末に契約を進めた。

ところが稼働から2ヶ月後、倉庫スタッフから「入荷のときに画面が固まる」「棚番をどこに入力するか分からない」という声が続出した。機能として存在していても、実際の作業フローに合わせたUI設計になっていなかった。伊藤さんが見ていたのはデモ環境の動作であり、現場の入荷・ピッキング・棚卸しといった業務の具体的な動線ではなかった。

この失敗から整理できる視点:情報システム部門が確認すべきなのは「機能の存在」ではなく「現場の作業フローに沿って機能が使えるか」。選定段階で現場担当者を同席させたデモ検証、または試用期間中の実業務テストをプロセスに組み込むことで、稼働後の乖離を減らせる。

失敗② ROI試算を「削減工数」だけで組み、導入コストの全体像を見誤った

Photo by Mikhail Nilov on Pexels
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食品製造業で情報システムを担当する渡辺さんのチームは、在庫管理システムの導入効果を「月40時間の手入力削減」という数字で経営陣に提示し、承認を取り付けた。ライセンス費用と初期構築費用の見積もりは取っていたが、データ移行・マスター整備・社内トレーニングにかかるコストは見積もりに含まれていなかった。

実際には、既存のエクセルデータをシステムに移行する作業に外部業者費用と社内工数を合わせて予算の約30%相当が追加でかかった。また、トレーニングが追いつかなかった部署では旧来のエクセル管理と新システムが並行稼働することになり、「二重入力の手間」という新たな問題が発生した。投資回収の見込みは当初計画より大幅に後ろ倒しになった。

図:ROI試算で見落とされやすいコスト構造

Spesが公開している事例コラム(受発注管理の自動化で現場はどう変わるか)でも、自動化後の現場変化を中小企業3社の実例で示しており、システム選定時のビジネスケース作成に参考になる。「工数削減だけで試算を閉じない」という観点は、そこでも共通して指摘されている。

失敗③ 将来の拡張要件を後回しにし、2年後に再選定を迫られた

建材卸を営む中村さんの会社では、現状の取引先数・SKU数に合わせたシステムを選んだ結果、事業拡大に伴って2年足らずで限界が来た。当初は取引先30社・SKU1,500品目だったが、ECチャネルを開設したことで受注経路が増え、倉庫も1拠点から3拠点に広がった。選定時に確認していなかった「複数拠点をまたいだ在庫の紐付け」「ECモールとのリアルタイム在庫連携」がシステムの非対応機能だったため、再選定・再構築を余儀なくされた。

情報システム部門としては「現状要件を満たすか」の確認は十分だったが、「3〜5年後の事業規模を想定した拡張性」の評価軸が抜けていた。ベンダーへの確認事項が現状仕様の確認に留まっていたことが根本にある。

3つの失敗に共通する「選定基準の設計ミス」

3つのケースを並べると、共通するパターンが見える。

失敗のパターン見落とした評価軸整えるべきプロセス
機能確認だけで選んだ現場の作業フローとの適合性現場同席デモ・実業務テスト
工数削減だけでROIを試算移行・研修・並行稼働コスト全体コスト・段階計画の明文化
現状要件のみ確認3〜5年の拡張性・連携対応将来シナリオを含めたRFP設計

情報システム部門が選定を主導する場面では、技術要件の確認は得意でも、「現場の運用実態」と「事業計画の将来軸」を評価基準に折り込むことが難しい。この2つを選定フローの中に明示的に組み込むことが、後戻りを防ぐ最大の手立てになる。

参考として、政府統計ポータル(e-Stat)では企業のIT投資動向に関する調査データも公開されており、業種別の導入状況を確認する際に活用できる。

選定基準を整える前に確認したい3つの問い

失敗事例から逆算すると、RFPや評価シートを作る前に情報システム部門として答えておきたい問いが3つある。

  • 現場の最も面倒な作業はどの工程か?——棚卸し、入荷検品、出荷指示のどこで手が止まっているかを、現場責任者へのヒアリングで確認しておく。
  • 3年後の取引先・拠点・販路の想定は経営計画に明記されているか?——拡張シナリオが社内で共有されていない場合、選定基準に「将来の拡張性」を載せても評価がぶれる。
  • 移行・研修フェーズを誰が担うか、社内リソースは確保できているか?——外注で賄う場合はそのコストを試算に含める。社内で担う場合は担当者の稼働を別プロジェクトと競合させない計画を立てる。

これら3つの問いへの答えが選定基準の骨格になる。機能比較表よりも先にこの骨格を作ることで、評価軸の抜け漏れを防ぎやすくなる。

図:選定基準を組む前に整えるべきステップ

クラウド型の在庫・受発注管理サービスであるSpesは、バーコード・ハンディ連携や複数倉庫の一元管理、EC・卸との在庫連携を想定した設計になっており、情報システム部門が現場フローとの適合性を検証しやすい構成になっている。選定候補の一つとして評価したい場合は、問い合わせ窓口から運用要件をそのまま相談することも可能だ。

よくある質問

情報システム部門が現場ヒアリングを行う際、どこから始めればよいですか?

まず「最も手が止まっている工程」を1〜2つ特定することから始めると整理しやすい。棚卸し・入荷検品・出荷指示など工程ごとに「誰が・何を・どの頻度で行っているか」を箇条書きで確認し、その中でデジタル化されていない手作業を洗い出す。全工程を網羅しようとするより、ボトルネック工程を起点にした方が、選定基準に優先順位がつきやすい。

拡張性をベンダーに確認する際、何を聞けばよいですか?

「現在の契約プランで対応できるSKU上限・拠点数の上限」と「超えた場合の追加費用・移行の要否」を具体的に確認する。また、ECモールや物流システムとのAPI連携実績(対応モール名・連携パターン)を事例込みで提示してもらうと、将来の販路拡大シナリオとの適合性を判断しやすい。

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