在庫管理にエクセルを使い続ける会社で「何が起きているか」——卸売業・食品製造業・小売チェーン、3業種の現場から読み解く移行判断の分岐 ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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在庫管理にエクセルを使い続ける会社で「何が起きているか」——卸売業・食品製造業・小売チェーン、3業種の現場から読み解く移行判断の分岐


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在庫管理にエクセルを使い続ける会社で「何が起きているか」——卸売業・食品製造業・小売チェーン、3業種の現場から読み解く移行判断の分岐

執筆:Spes編集部

「うちはまだエクセルで十分」——そう言っていた会社が、半年後に在庫差異の原因調査だけで丸1日を費やしていた。業種が違えば、エクセル在庫管理の「崩れ方」も違う。製造業では部品の欠品、食品業では賞味期限の見落とし、小売チェーンでは店舗間の在庫偏在として表面化する。本稿では3つの業種を横断し、それぞれの現場でエクセル管理がどのような形で機能不全を起こすかを整理する。「自社はどの型に近いか」を確かめながら読んでほしい。

業種別に見る「エクセル在庫管理の崩れ方」

Photo by Tiger Lily on Pexels
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エクセルはもともと汎用ツールだ。在庫管理に使おうとすれば、構造の設計からルールの運用まで、すべて使う側が決めなければならない。その柔軟性が、業種ごとに異なる形の破綻を生み出す。

3業種の「崩れ方」と共通する根本原因

卸売業:受発注の多頻度化が二重計上を生む

食品や日用品の卸売業では、取引先が十数社から数十社に上ることが珍しくない。受注はFAX・メール・電話が混在し、それをエクセルに転記する作業が毎日繰り返される。担当の渡辺さんが午前中に入力した受注データを、別の担当者が同じファイルを開いて午後に上書き保存する——このような状況で、同じ発注が二重に計上されたり、確定した出荷が記録に残らないまま商品だけ出ていったりする。

卸売業の場合、SKU数は数百〜数千に及ぶことも多い。品番の似た商品を誤って在庫に足してしまっても、実地棚卸まで気づかない。発覚したとき、実在庫とエクセルの差異が数十万円規模になっていたケースも報告されている。

食品製造業:ロット管理と賞味期限の追跡がエクセルでは追いつかない

食品製造業のエクセル在庫管理では、賞味期限やロット番号の管理が最初の限界点になりやすい。製造日・賞味期限・仕入れ先ロットを列に並べていても、出荷のたびに「どのロットから出すか」を手動で判断・記録しなければならない。先入れ先出し(FIFO)の原則を守ろうとすれば、ファイルのソート操作が毎回必要になる。

小林さんが担当する製造ラインでは、原材料ロットの紐づけを別シートで管理していたが、シートの更新タイミングがずれて出荷済みロットが「在庫あり」のまま残り、同じロットを重複出荷しそうになったことがあった。食品業では、万一のリコール時にロットを即座に追跡できないと、回収範囲の特定に時間がかかり被害が広がるリスクがある。

小売チェーン:拠点が増えるほど在庫の「実態」が見えなくなる

直営店を3〜10店舗程度展開する小売チェーンでは、店舗ごとにエクセルファイルを持ち、本部が週次で集計するパターンが多い。このとき問題になるのが、週次集計と実際の在庫移動のタイムラグだ。

A店で特定商品が品薄になっても、B店に在庫があることが翌週の集計まで見えない。結果として本部が慌てて追加発注し、B店の在庫がさらに積み上がる。季節商品や限定品では、この偏在が売り損じと廃棄ロスを同時に生む。売り場担当の伊藤さんが「本部が在庫を持っているはずと言うけれど、うちの店には来ない」と感じ続ける状況は、エクセルの集計頻度とリアルタイム性の構造的な限界から来ている。

業種別の「移行タイミング」はどう判断するか

Photo by Tiger Lily on Pexels
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業種移行を検討すべき兆候放置した場合のリスク
卸売業受注チャネルが3種以上・月間受注件数が200件超二重出荷・欠品クレームの頻発
食品製造業ロット種類が月30ロット超・期限管理が手動ソートに依存期限切れ出荷・リコール時の追跡遅延
小売チェーン店舗数が3店舗超・集計ラグが週1回以上売り損じと廃棄ロスの同時発生
共通して移行を急ぐべき状態

  • エクセルの管理担当が1〜2名に集中し、その人が休むと在庫確認ができない
  • 月次棚卸後の差異調整に半日以上かかっている
  • 「在庫があるはずなのに見つからない」が月1回以上発生している
  • 受注や出荷のデータを複数ファイル・複数担当者が別々に更新している

「仕組み」が変わると現場はどう変わるか

クラウド型の在庫管理ツールへの移行を検討するとき、最初の障壁になるのが「今のエクセルで何ができていて、何ができていないか」の整理だ。業種ごとに「欲しい機能」は異なる。

  • 卸売業:受発注の自動取り込み・複数チャネルの一元管理が最優先。FAXやメール受注の入力代行(BPO)と組み合わせることで、転記ミスの発生源を減らせる。
  • 食品製造業:ロット・賞味期限の自動トラッキング。バーコードやハンディターミナルとの連携で、入出庫のたびに手入力する工程を省ける。
  • 小売チェーン:複数拠点の在庫をリアルタイムで一元把握。店舗間の在庫移動や本部への集計が自動化されると、週次集計のラグが日次・即時に近づく。

Spesのようなクラウド型の在庫・受発注管理ツールは、バーコード/ハンディ連携や複数拠点の一元管理を前提に設計されており、上記の業種ごとの課題に対応しやすい構造を持っている。ただし、「どの機能が自社に必要か」は導入前に整理しておかないと、移行後も運用が属人化しやすい。まず自社の崩れ方の「型」を把握することが先決だ。

業種別の移行検討について、具体的な状況を整理したい場合はこちらからご相談いただくと、現状のヒアリングから始めることができる。

よくある質問

エクセルからクラウドへの移行は、どのくらいの期間がかかりますか?

業種・データ量・運用ルールの複雑さによって異なる。シンプルな構成であれば1〜2か月で初期運用に入れるケースが多いが、ロット管理や複数拠点の設定が必要な場合は3〜6か月の移行期間を見ておくと安全だ。重要なのは「移行後の運用設計」を先に決めることで、ツール選定よりも運用ルールの整備が移行の成否を左右しやすい。

エクセルのデータはそのまま引き継げますか?

多くのクラウド在庫管理ツールはCSVインポートに対応しており、現在のエクセルデータを一定の形式に整えることで移行できる場合が多い。ただし、セルに埋め込まれた計算式や独自の管理項目(ロットコードの命名規則など)は個別の変換作業が必要になることがある。移行前にサポートへ確認しておくと、想定外の手戻りを防ぎやすい。

中小規模の食品製造業でも導入できますか?

月商規模や従業員数よりも、「今の課題がどの程度業務に影響しているか」で判断するのが現実的だ。ロット追跡や賞味期限管理のミスが月1回以上発生している、あるいは担当者の退職で管理が止まるリスクがあるなら、規模に関わらず移行を検討する価値がある。初期費用を抑えたプランから試すことができるサービスも増えている。


参考:経済産業省「商業統計」等の業種別企業実態については、政府統計の総合窓口(e-Stat)から一次データを確認できる。

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