食材ロスが止まらなかった飲食店の「在庫管理の失敗」——現場で実際に起きた3つのつまずきと、立て直しの考え方 ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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食材ロスが止まらなかった飲食店の「在庫管理の失敗」——現場で実際に起きた3つのつまずきと、立て直しの考え方


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食材ロスが止まらなかった飲食店の「在庫管理の失敗」——現場で実際に起きた3つのつまずきと、立て直しの考え方

執筆:Spes編集部

「発注した覚えのない食材が冷蔵庫に積み上がっている」——福岡市内で居酒屋を2店舗運営する伊藤さん(40代・経営者)が、そう気づいたのは月末の棚卸しのタイミングでした。廃棄になった食材の原価を合計したところ、その月だけで約8万円。スタッフに確認しても「冷蔵庫の中を見て発注していた」という返答で、担当者によって基準がバラバラだったことが分かりました。

飲食店の食材在庫管理は、製造業や小売業とは異なる難しさがあります。食材には鮮度という制約があり、メニュー変更のたびに使う食材が変わり、仕入れ価格も季節や産地の状況によって動きます。「なんとなく目視で確認して発注する」というやり方が長年通用してきた現場も多いのですが、その慣習がある段階から大きなコストの穴になっていきます。

この記事では、飲食店の現場で実際に起きた在庫管理の失敗パターンを先に整理し、そこから「何を変えると状況が改善するか」を逆算して考えます。

目視発注のあいまい運用から食材ロスが生まれ、仕組み化によって改善するまでの流れ

現場で実際に起きた3つの失敗パターン

Photo by Jvxhn Visuals on Pexels
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飲食店の在庫管理の失敗は、大きく3つのパターンに収束しやすいと言われています。以下に整理します。

失敗① 担当者ごとに「見て発注」——基準がない状態の危うさ

冒頭の伊藤さんのケースがまさにこれです。冷蔵庫を開けて「少ないな」と感じたスタッフが発注する、という運用では、何個あれば「足りている」のかが人によって異なります。Aさんが月曜に発注したものをBさんが金曜に再度発注してしまう、といった二重発注が起きやすく、気づいたときには食材が余り、廃棄になります。

飲食店では1〜3名のスタッフが交代で発注業務を担うことが多く、「前任者がどう判断したか」が引き継がれないまま運用が続くことが珍しくありません。

失敗② 棚卸しを「月1回」だけでやり過ごす——週次のズレが積み上がる

生鮮食材を扱う飲食店で月次棚卸しだけに頼るのは、財務リスクを月末まで放置するのと実態が近いです。週の半ばで食材が不足して急な発注が必要になれば、取引先の通常価格より割高な調達になることもあります。逆に余剰が積み上がっても、月末まで気づかずに廃棄が続きます。

大阪で洋食レストランを経営する渡辺さん(50代)は、週次で簡単な棚卸しを導入した結果、翌月の食材廃棄額が導入前より約30%減ったと話しています。「毎日は難しくても週1回なら続けられた」というのが実感だったようです。

失敗③ メニュー変更時に旧食材が残る——品目数の「増加放置」

季節メニューの入れ替えや新メニューの追加は、飲食店ではごく日常的な業務です。ところが新しいメニューに集中するあまり、旧メニューで使っていた食材の在庫をそのまま放置してしまうケースがあります。小瓶のスパイスや調味料は特にこのパターンに陥りやすく、気づけば棚の奥に賞味期限切れが溜まっている、というのはよくある光景です。

品目数が増えると、目視管理の精度はさらに落ちます。管理する対象が増えれば見落としも増える、という単純な構造です。

3つの失敗に共通していること
担当者が変わっても同じ基準で動けるように「記録と判断基準を外に出す」仕組みが整っていないことが根本にあります。経験や感覚に頼った運用は、担当者が変わった瞬間に機能しなくなります。

「何を記録するか」から始める在庫管理の立て直し

Photo by RDNE Stock project on Pexels
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失敗パターンが分かったところで、では何から手をつければいいのかを考えます。ここで重要なのは「システムを入れる前に、何を記録するかを決める」という順番です。

飲食店の食材在庫管理で最低限記録しておくべき項目は、以下の4つです。

記録項目なぜ必要か頻度の目安
食材名・品目管理対象を明確にするメニュー変更時に更新
入庫数量・日付何をいつ仕入れたか把握納品のつど
発注点(下限量)誰でも同じ基準で発注できる初期設定+定期見直し
廃棄数量・理由ロスの原因を後から分析できる廃棄のつど

この4項目を紙のシートやエクセルで記録するだけでも、最初の一歩としては十分です。ただし、店舗が複数あったり、スタッフの入れ替わりが多い環境では、記録の共有と更新をどう担保するかが課題になります。

記録の仕組みに迷いがある場合は、業種・規模に合わせた運用設計を専門家に相談するのも選択肢のひとつです。Spesの問い合わせ窓口では、飲食業の現場を含む在庫・受発注管理の相談を受け付けています。

仕組み化が進んだ現場に共通していること

在庫管理の改善がうまくいった飲食店の現場を見ると、いくつかの共通点があります。

「発注点」を品目ごとに数値で決めている

「なんとなく少ない」ではなく、「残り10個を切ったら発注する」という具体的な閾値を設定しているかどうかが、担当者依存からの脱却に直結します。発注点を決めるには、1週間の平均使用量と仕入れリードタイム(発注から納品までの日数)の2つが分かれば算出できます。難しい計算は不要で、過去の仕入れ記録と廃棄記録を1カ月ぶん振り返るだけでおおよその数値が出ます。

棚卸しを「週次・短時間」に切り替えている

月次の棚卸しを週次に変えると、記録の精度よりも「ズレに早く気づける」ことが大きなメリットです。食材の場合、1週間で廃棄になるものが多いため、週次でチェックすることがロスを早期に捉える最低ラインになります。慣れると1回30分程度で終わるようになる現場も多く、「毎日は無理でも週1回なら」という声をよく聞きます。

クラウドやアプリで記録を「一か所に集める」

複数スタッフが交代で管理する環境では、記録が手書きのノートや個人のスマホのメモに分散していると、情報が統合されません。簡単なスプレッドシートでも構いませんが、複数拠点の展開や担当者が5名を超えてくると、クラウド型のツールで一元管理する方が現実的です。

Spesのようなクラウド型の在庫・受発注管理システムは、複数店舗の在庫を一か所で確認でき、発注点設定や入出庫記録の共有が可能な構成になっています。飲食業への特化型ではありませんが、食材品目の管理や仕入れ管理の入り口として機能するケースがあります。具体的な要件が固まっていなくても、問い合わせから相談することで自社に合う運用の方向性を確認できます。

記録の設計→週次棚卸し→一元管理の順で進めると定着しやすい

よくある質問

小規模な飲食店でもクラウド管理ツールは必要ですか?

1〜2名で運営している店舗であれば、共有スプレッドシートで十分なケースも多いです。ただし、スタッフが3名以上になったり、複数店舗に展開したりする場合は、記録の共有と更新の仕組みとしてクラウドツールを検討する価値があります。まずは「何を記録するか」を決めることを優先し、ツール選びはその後でも遅くありません。

発注点はどうやって決めればいいですか?

過去1〜2カ月の仕入れ記録と廃棄記録を確認し、週ごとの平均使用量を品目別に出すのが出発点です。仕入れから納品まで2日かかるなら「2日分の使用量+安全在庫(1〜2日分)」が発注点の目安になります。最初から正確な数値でなくても、定期的に見直す前提で運用し始めることが大切です。

廃棄記録をつける習慣が続きません。どうすれば?

廃棄のたびに専用シートに記入するのは手間に感じやすいため、まずは廃棄ボックスの近くにメモ用紙とペンを置き、「捨てた量を紙に書く」だけにするのがスタートとして現実的です。週次棚卸しのタイミングにまとめて転記する運用でも、記録がまったくないよりは大幅に改善します。

飲食店の食材在庫管理の問題は、特別な知識が必要な課題というよりも、「記録の習慣と基準の明確化」という地道な積み上げで改善できることがほとんどです。一方で、どこから手をつければいいか分からない場合や、自店の運用に合った仕組みを相談したい場合は、専門家の意見を聞くのが近道になることもあります。

参考情報:農林水産省・食品ロスに関する統計や飲食業の経営実態については、政府統計ポータル(e-Stat)でも業種別データを確認できます。

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