現在、DX(デジタルトランスフォーメーション) が企業の業務効率向上に重要な役割を果たすようになってきています。その中で、在庫管理もまた、効率的かつ正確に 行うことが求められていますが、この記事ではエクセルを用いて在庫管理を行う方法 を、具体的な表の作成例と共にご紹介していきます!
◆1:エクセルを用いた在庫管理のメリット
在庫管理は、商品や資材、部品などの適切な在庫数を把握 し、必要に応じて出荷や補充、廃棄など を行う業務です。この際にエクセルを用いた場合、以下のようなメリットがあります。
1-1. コスト削減
有料の在庫管理ソフト を導入することなく、お手元にあるエクセルを活用 することができます。これにより、コスト削減 が図られます。色々なデメリットを考えても、このコスト面の優位性 がエクセルで在庫管理を行う最大のメリットであると考えられます。
1-2. 柔軟性
エクセルを用いた在庫管理表は、自社の業務内容に合わせて簡単にカスタマイズ することができます。既存の在庫管理クラウドソフト ではどうしても自社のオペレーションに合わないことも有りえます。その場合でもエクセルはかなり柔軟に管理表の作成を行うことが出来るのも大きなメリットであると考えられます。
1-3. 機能性
エクセルには在庫管理に役立つ機能 が多数搭載されており、在庫数の自動計算や在庫状況の可視化が容易にできます。実は使いこなすと優秀なエクセル。やや知識を求められる部分もありますが、出来る範囲はかなり広い というのもメリットとして挙げられると考えられます。
◆2:在庫管理表の基本構造
それではエクセルで在庫管理表を作成する際には、どのようなデータ項目をまとめていくと良いのでしょうか?
以下に、一例を記載します。当然ながらこの項目は各社によって大きく異なってくると思いますので、本当にシンプルに入出庫の状況から在庫数を割り出し、適正在庫数を見るためには…?という考え方のもとまとめた基本構造となります。
2-1. 商品・部品名
2-2. 型番・コード
2-3. 入庫数
2-4. 出庫数
2-5. 現在庫数
2-6. 安全在庫数
2-7. 発注・補充状況
◆3:エクセルで在庫管理表を作成する手順
それでは、実際にエクセルを使って在庫管理表を作成してみましょう。
3-1. 新規シートを開き、上記のデータ項目を横の列に入力します。
3-2. 入庫数と出庫数の差分を計算し、現在庫数を算出します。現在庫数のセルに「=入庫数のセル - 出庫数のセル」と入力し、自動計算させます。
3-3. 安全在庫数と現在庫数を比較し、発注・補充状況を判断します。前述した通り、以下のような計算式を用いて、発注が必要かどうかを判断するような仕組みも良いでしょう。
「=IF(現在庫数のセル <= 安全在庫数のセル, "発注が必要", "発注不要")」
3-4. 在庫管理表を見やすくするため、条件付き書式を用いてセルの色を変更します。例えば、現在庫数が安全在庫数以下の場合、赤色で表示するように設定します。
3-5. エクセルのフィルタ機能を用いて、発注が必要な商品や部品を一覧表示します。これにより、在庫管理が一目でわかりやすくなります。
こちらが実際に作成したエクセルのイメージです。
<横列のデータ項目名>
A: 商品・部品名
B: 型番・コード
C: 入庫数
D: 出庫数
E: 現在庫数
F: 安全在庫数
G: 発注・補充状況
| A | B | C | D | E | F | G
----------------------------------------------------------------------------
1 | 商品・部品名 | 型番・コード | 入庫数 | 出庫数 | 現在庫数 | 安全在庫数 | 発注・補充状況
2 | 商品A | A0001 | 100 | 30 | 70 | 50 | 発注不要
3 | 商品B | B0001 | 80 | 65 | 15 | 20 | 発注が必要
4 | 商品C | C0001 | 150 | 90 | 65 | 60 | 発注不要
5 | 商品D | D0001 | 200 | 180 | 20 | 30 | 発注が必要
各セルには以下のような式が入力されています。
E2: =C2-D2
E3: =C3-D3
E4: =C4-D4
E5: =C5-D5
G2: =IF(E2<=F2, "発注が必要", "発注不要")
G3: =IF(E3<=F3, "発注が必要", "発注不要")
G4: =IF(E4<=F4, "発注が必要", "発注不要")
G5: =IF(E5<=F5, "発注が必要", "発注不要")
こちらのエクセルファイルを元に、自社に必要なものを加えていっていただくのも良いと思います。
◆4:エクセルを活用した在庫管理のDX化
ここまでで在庫管理を行うためのエクセル作りについて書いてきましたが、次に日常業務の効率化を図るために、以下のようなDX化の取り組みも有効だと思います。
4-1. エクセルのデータ連携機能を活用し、外部のクラウドソフトなどと連携させます。例えば、発注システムと在庫管理表を連携させることで、発注作業が簡単になります。
4-2. エクセルのマクロ機能を用いて、日常的な作業の自動化を図ります。これにより、在庫管理業務の効率化が実現できます。
4-3. Microsoft Power BIなどのデータ可視化ツールと連携させ、在庫状況の分析・改善に役立てます。データ分析を通じて、適切な在庫水準の維持や無駄の削減が可能となります。
◆5:まとめ
今回の記事ではエクセルを用いた在庫管理表 の作成方法を中心にご紹介しました。
実際にエクセルは使いこなすと本当に機能が豊富 なため在庫管理業務の効率化やDX化にも充分役立つと考えられます。
しかしながら、エクセルソフトの場合、チームで在庫管理表を使う 場合、業務を標準化しきれない というデメリットもあります。つまり共有ファイルを「誰かが好きに書き換えてしまい計算式が崩れる」「入力の仕方がいまいち分かりにくい」「データそのものを誤って消してしまった」 なども問題が起こるケースが多々見受けられます。
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つまりエクセルのように管理項目をどうするのか、といった準備にかかる時間を一切排除し、すぐに在庫管理のDXに取り組むことができる ということです。
またクラウドソフトの最大の利点は、業務を標準化しやすく、データもきちんと保護されるということです。
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小林 淳 代表取締役 CEO 1977年生まれ。 駒澤大学を1年で中退後、世界初のモバイルターゲティングメールのメディア企業に就職。 その後、2001年に東芝連結子会社のソリューション/プロモーション企業に入社。 ネット領域だけではなく、リアル領域のビジネスに幅広く従事しあらゆる業種の販促活動に幅広く携わる。 2005年にCRM系企業の取締役に就任し、新規事業立ち上げなどの業務を経て、2007年春株式会社アイディールを設立。 2022年当社を設立、代表に就任。