デッドストックはなぜ生まれ続けるのか——業種別の発生パターンと、現場で実践できる対策の進め方 ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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デッドストックはなぜ生まれ続けるのか——業種別の発生パターンと、現場で実践できる対策の進め方


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デッドストックはなぜ生まれ続けるのか——業種別の発生パターンと、現場で実践できる対策の進め方

執筆:Spes編集部

棚の奥に眠ったままの商品、期限が近づいて慌てて値引きした食材、シーズンを過ぎて倉庫の一角を占拠し続けるアパレル品——デッドストックは、どんな業種でも「気づいたら増えていた」という形で発生することが多い。問題は、発生してから対処するのか、発生する前に構造を変えるのかという視点の差にある。

本記事では、業種ごとに異なるデッドストックの発生パターンを整理し、現場が「明日から何を変えるか」を考えられるよう、具体的な対策の切り口を示す。

業種によってデッドストックの「生まれ方」は違う

Photo by EqualStock IN on Pexels
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デッドストックへの対策を考えるとき、まず押さえておきたいのは、業種によって発生のメカニズムが根本的に異なるという点だ。同じ「在庫が余った」状況でも、その原因と有効な打ち手は大きく変わる。

アパレル・季節品の場合、トレンドの変化と季節性が重なるため、売り切れなかった商品はシーズンをまたぐと一気に価値が下がる。秋冬物を翌年まで持ち越しても、ファッションサイクルの速さから需要が戻らないケースが多い。発注量を「昨年同月比」で決める慣習が残っていると、外れた年の在庫が積み上がりやすい。

食品・飲料では、賞味期限という絶対的な制約がある。棚割りの変更や取引先の仕様変更で商品が切り替わったとき、旧品番の在庫が消費されずに残るパターンが典型的だ。廃棄コストが直接損失に直結するため、デッドストック化のスピードと深刻さが他業種より高い。

部品・資材の卸売・製造では、顧客の生産計画変更や設計変更によって、特注品や専用部品が突然使われなくなるリスクがある。発注ロットの最小単位が大きいため、少し多めに確保した在庫が長期滞留に転じやすい。汎用品なら他に転用できるが、専用品は転売も難しい。

EC・通販は、複数モールで在庫を共有しているケースで問題が起きやすい。モールごとの在庫振り分けが固定されていると、あるモールでは欠品、別のモールでは過剰という状況が同時に発生する。過剰分はそのままデッドストック候補になる。Spesの業種別在庫管理の課題整理でも、業種ごとに異なるデッドストックの発生パターンと有効な対策の違いが示されており、業種に合ったアプローチが重要だと確認できる。

ポイント:業種別デッドストック発生の主因

  • アパレル・季節品:トレンド変化・シーズン切れ・前年比発注の慣習
  • 食品・飲料:賞味期限・商品切り替えのタイムラグ
  • 部品・資材卸:顧客の仕様変更・大ロット発注の制約
  • EC・通販:モール間の在庫偏り・需要予測の精度不足

現場でよく起きる「気づくのが遅れる」構造

Photo by cottonbro studio on Pexels
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デッドストックが積み上がる現場には、共通した見落としのパターンがある。在庫の「量」は毎日確認しているのに、「動き」を確認していないことだ。

たとえば、倉庫に500個ある商品が先月から1個も出荷されていないとする。その事実は在庫数を見ているだけでは分からない。在庫回転率や最終出荷日をモニタリングする仕組みがないと、3か月後に初めて「これ動いていないね」と気づく——という展開が実際の現場でよく起きている。

もう一つの典型は、発注と販売の担当が別れていて情報が連動していないケースだ。営業側がキャンペーン終了を伝え忘れたまま発注担当が在庫を積み増す、という事故は珍しくない。部門間の情報伝達ルートが整備されていないほど、デッドストックのリスクは上がる。

渡辺さん(食品卸・在庫管理担当・3年目)のチームでは、商品切り替えのスケジュールをExcelで管理していたが、旧商品の在庫消化期限をファイルに記載していなかった。切り替えから2か月後、旧品番の在庫が200ケース残っていることが発覚し、急遽得意先に値引き販売を打診することになった。「担当者が変わったときに引き継がれていなかった」というのが原因の一つで、情報を属人的に管理している限り同じことが繰り返される構造だった。

デッドストック対策を「仕組み」として整える

デッドストックを減らすための手段は大きく3つに分けられる。発生を予防する、早期に検知する、発生後に処分・転用するという段階だ。どこから手をつけるかは、現状の在庫滞留がどの段階で止まっているかによって変わる。

発生予防:発注ルールを見直す

最初に着手しやすいのが、発注の意思決定ルールの見直しだ。過去実績に引きずられた発注量の設定、最小発注ロットの見直し交渉、取引先との発注頻度の変更——こうした地道な調整が、長期的には在庫の積み上がりを抑制する。特に季節品やトレンド感度の高いカテゴリでは、強気の上乗せ発注を抑えるルールを明示的に設けることが有効だ。

また、SKU(在庫管理単位)の整理も重要だ。バリエーションが多すぎると、需要が分散して1SKUあたりの在庫が少量ずつ余りやすくなる。販売実績の乏しいSKUを定期的に見直す運用を入れると、デッドストック候補を早めに特定できる。

早期検知:動いていない在庫を可視化する

在庫を「量」でしか見ていない状態から脱するには、最終出荷日や在庫回転率をダッシュボード上で確認できる環境が必要になる。政府の統計(e-Stat)でも、業種・規模別の在庫回転率の分布が公表されており、自社の水準を業界平均と比較する際の参考になる。

具体的には、「90日以上動いていない在庫」をアラートで通知する仕組みを作るだけでも、放置期間を大幅に短縮できる。クラウド型の在庫管理システムでは、この種のアラート設定をルールとして登録できるものも多い。EC事業者向けには、在庫連携・受注処理の自動化を組み合わせることで、モール間の在庫偏りとデッドストック候補を同時に把握しやすくなる。

処分・転用:デッドストックを「活かす」判断基準

発生してしまったデッドストックへの対処は、廃棄・値引き販売・別用途への転用という選択肢がある。どれを選ぶかは、残存価値と保管コストのバランスで判断する。長く持つほど倉庫の保管コストが積み上がるため、早めに決断して損失を確定させるほうが、最終的なコストを抑えられるケースが多い。

BtoB取引が中心の製造・卸業の場合は、別の取引先や市場へのアウトレット販売、同業他社への在庫引き取り交渉なども選択肢に入る。こうした判断を現場レベルで動かすには、「デッドストック処分のルール(例:6か月以上の滞留品は〇〇の手順で処分判断を上申する)」を社内で明文化しておくと運用がスムーズになる。

Spesの導入事例では、在庫ロス削減と受注処理効率化を同時に進めた事例が紹介されており、デッドストック対策と受注自動化を並行して取り組むことで、現場の作業効率と在庫精度の両方が改善したことが数値で示されている。

在庫管理の仕組みを変えると何が変わるか

デッドストックが多い現場は、在庫の「見える化」が不十分なことがほとんどだ。誰でも同じ情報にアクセスできる状態を作るだけで、部門間の情報ズレが減り、過剰発注や処分の遅れが起きにくくなる。

クラウド型の在庫管理システムは、複数拠点や複数担当者が同時に在庫情報を参照・更新できる点で、Excelや紙の管理との大きな差が出る。特にEC事業者では、受注データと在庫データが自動で連動することで、販売実績に基づいた発注判断がしやすくなる。「在庫を持ちすぎない」という文化を作るためのインフラとして、在庫管理システムの導入を検討する余地がある。

どの業種でも共通して言えるのは、デッドストック対策は「余ったら考える」ではなく、発注・販売・在庫確認のサイクルに組み込んで初めて機能するという点だ。仕組みとして動かすことを意識した改善を積み重ねることが、最終的に在庫ロスを減らす近道になる。

現在の在庫管理の運用に課題を感じているなら、まずは現状の棚卸しから始めることをお勧めする。具体的な改善の進め方や仕組み化の相談は、こちらのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡いただきたい。

よくある質問

デッドストックの定義はどう決めればよいですか?

一般的には「一定期間(例:90日・180日)出荷実績がない在庫」をデッドストック候補として管理する方法が使いやすい。業種や商品の回転速度に合わせて期間の基準を設定し、定期レポートで確認できる運用にすると見落としが減る。

デッドストックが多い状態でシステム導入する場合、まず何から始めるべきですか?

システム導入と並行して、まず「現在の滞留在庫リスト」を作成することが先決だ。システムが動き始めても、過去に積み上がったデッドストックは別途処分判断が必要になる。導入前に棚卸しデータを整備しておくと、初期設定がスムーズになる。

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