情報システム担当者がエクセル在庫管理の「限界」を判断する前に確認すべき6つの分岐点 ─ 在庫管理のDXに | 完全無償クラウド型ソフト「Spes」

 

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情報システム担当者がエクセル在庫管理の「限界」を判断する前に確認すべき6つの分岐点


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情報システム担当者がエクセル在庫管理の「限界」を判断する前に確認すべき6つの分岐点

執筆:Spes編集部

「現場からエクセルが使いにくいと言われているが、システム導入を稟議に上げるほどの根拠が揃っていない」——情報システム部門の担当者から、こういった相談を受けることがある。現場の不満は聞こえてくるが、「限界かどうか」の判断基準が曖昧なまま選定作業だけが先行し、結局ベンダー任せになってしまうケースは少なくない。

この記事では、IT担当者・情シス担当者が「エクセル在庫管理はもう限界か」を判断するための分岐点を整理する。現場ヒアリングの前に手元で確認できる観点から順番に並べているので、稟議の根拠づくりや社内説明の下準備として活用してほしい。

①「何人が・週何時間」エクセルに費やしているかを数字で把握しているか

Photo by Kampus Production on Pexels
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情シス担当者が稟議を通すために最初に必要なのは、感覚ではなく工数の数字だ。「担当者がエクセルの修正に時間を取られている」という現場の声は出やすいが、週に何人が・合計何時間を費やしているかを定量化しているケースは意外と少ない。

目安として、在庫管理業務(入力・照合・棚卸・修正)に週20時間以上が費やされている場合、クラウドシステムへの移行でその6〜7割を削減できる事例が実務では報告されている。この数字を現場に確認するだけで、稟議の説得力は変わる。

確認が難しい場合は、「棚卸し作業に何日かかっているか」「月末の在庫確認に担当者は何時間残業しているか」の2点だけでも把握しておくと、コスト試算の起点になる。

②ファイルの「壊れ方」がどのパターンかを分類できているか

Photo by RDNE Stock project on Pexels
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エクセル在庫管理のトラブルには、大きく3つのパターンがある。情シス担当者がシステム選定の要件を整理する前に、自社がどのパターンに当たるかを把握しておくと、必要な機能の絞り込みがしやすくなる。

トラブルパターン具体的な症状主な根本原因
同時編集の競合保存が上書きされる・どれが最新か不明共有ファイルの同時アクセス
数式・参照の崩れ在庫数が突然マイナスになる・合計が合わない行列の追加・削除・コピペ操作
属人化による属人ロック担当者不在で誰も数字を更新できないファイル構造・運用ルールの個人管理

同時編集の競合が主因であればクラウド型DBへの移行が効果的で、属人化が主因であれば権限管理・操作ログの仕組みが優先要件になる。パターンを混同したままシステムを選ぶと、導入後に「解決したかった問題が残った」という結果になりやすい。

③「実損が出た場面」を1件でも記録できているか

エクセル管理に起因するミスは現場で吸収されていることが多く、情シス担当者の耳に届く頃には「なんとかなった」という後日談になっている。しかし、稟議を通すには「実際に損失が出た」事実の記録が1件でもあると大きく違う。

稟議に使いやすい実損の記録項目

  • 欠品・過剰発注が発生した日付と金額規模(概算でも可)
  • 誤出荷・在庫差異の発生件数(直近3〜6ヶ月)
  • 在庫確認のために担当者が取引先に電話した回数
  • 棚卸し後に帳簿と実数が一致しなかった品目数

これらは現場のリーダーに口頭で確認するだけで概数が出てくることが多い。正確な数字でなくても「月に3〜4件の差異が出ている」という事実があれば、年間コストに換算して示すことができる。

④SKU数・拠点数がエクセルの「設計上限」を超えていないか

エクセルはデータの規模が小さい段階では機能するが、品目数(SKU)や管理拠点が増えるにつれてパフォーマンスと信頼性が落ちる。情シス担当者が見ておくべき目安は以下の通りだ。

  • SKU数が500を超えると、ファイルの読み込みが遅くなり入力ミスが増えやすくなる
  • 管理拠点が2拠点以上になると、ファイルを分けるか共有するかで必ずトラブルが起きる
  • 履歴データが1シートに1年分以上蓄積されると、VLOOKUP系の参照が重くなり実用に耐えなくなる

自社の現状がこの水準に近づいている、あるいは今後1〜2年で到達する見込みがある場合、「今は問題ない」は判断の先送りに過ぎない。事業計画の成長率と照らし合わせて確認しておくのが情シス担当者としての本来の仕事だ。

⑤EC・基幹システムとの連携要件を現場から吸い上げているか

エクセル在庫管理が「限界」を迎えるもう一つのパターンは、周辺システムとの連携が手作業になっている状態だ。ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!等)の受注データを手入力でエクセルに転記している、あるいは会計ソフトや基幹システムとの数字合わせを毎月手動でやっているケースがこれにあたる。

こうした手作業の連携は、売上が伸びるほど工数が比例して増える構造になっている。月商1,000万円規模のEC事業者が複数モールの受注を手入力で管理している場合、受注処理だけで週15〜20時間を費やすことも珍しくない。

在庫管理システムを選定する際には、「エクセルの置き換え」だけを要件にするのではなく、どこと何を自動連携したいかを先に整理することが重要だ。たとえばSpesのようなクラウド型の在庫・受発注管理システムでは、ECモールとのAPI連携や複数拠点の一元管理を前提に設計されており、連携要件が明確であれば選定の比較軸が絞りやすくなる。連携先・連携方式について不明点があれば、まず相談してみるのが選定の遠回りを避ける近道になる。

⑥「移行コスト」の試算が現場任せになっていないか

情シス担当者が陥りやすいのは、システム費用(月額ライセンス料)だけを比較して「高い・安い」を判断してしまうことだ。実際の移行コストは、ライセンス料以外に以下の要素を含む。

特に「並行運用期間」は見落とされやすい。エクセルとシステムを並行して使う期間(一般的に1〜3ヶ月)は、担当者の工数が一時的に増える。この期間中の負荷を事前に現場と合意しておかないと、移行途中で「元に戻してほしい」という要求が出ることがある。

移行コストの全体像を試算した上で「エクセル継続のリスクコスト」と比較することが、情シス担当者として稟議を通すための論拠になる。政府統計ポータル(e-Stat)には業種別の労働生産性や情報化投資に関する統計も公開されており、業界水準との比較を示す際に活用できる。

よくある質問

エクセルで管理している品目数は200程度です。それでもシステム移行を検討すべきですか?

品目数だけでは判断できない。複数人が同じファイルを更新しているか、ECや基幹システムとの連携を手作業でやっているか、棚卸しに丸1日以上かかっているか——これらの条件が1つでも当てはまるなら、品目数が少なくても移行の検討対象になる。

現場からは「エクセルで十分」という声もあります。どう判断すればよいですか?

「今は困っていない」と「将来も大丈夫」は別の話だ。事業規模の成長計画や取引先との連携要件を合わせて確認し、1〜2年後の運用を想定した上で判断するのが情シス担当者の役割になる。現場の声は重要だが、それだけを根拠にするのは避けたい。

システム選定はどこから始めればよいですか?

まず自社の「限界パターン(②で整理した3分類)」と「連携要件(⑤)」を明確にすることが先決だ。要件が不明確なままベンダー比較に入ると、提案側のペースで選定が進んでしまう。整理した内容を持って複数のベンダーに相談すると、回答の精度が上がり比較もしやすくなる。

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